Tmd
顎関節症
顎関節症
●口を開けるとき、耳の前の関節の辺りがカックンと鳴る
●前よりも、口が開かなくなった
●口を開けたり閉じたりしたときに顎が痛む
これらの症状のうちどれか1つでも該当するものがあったら、もしかしたら顎関節症かもしれません。
顎関節は耳のすぐ前にある関節ですが、歯並びや噛み合わせが悪いといったほかに、生活習慣やストレス、姿勢の悪さなどのさまざまな要因により、関節及び関節周囲の筋肉が不調和を引き起こして発症するといわれています。
この分野を扱う歯科医師はあまり多くはありませんが、稲葉歯科医院は顎関節症を専門としており、数多くの症例と実績を持つ専門家が担当します。お悩みや不安を抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。
口を閉じたときは、上下のすべての歯が平均して噛み合っていることが重要です。もし左右の噛み合わせがずれていると、顎の関節に無理がかかります。また、口を閉じたときに前歯の上下の歯が噛み合わずに隙間が空いていると、奥歯に無理がかかって顎関節症になります。
顎を前に動かしたり横に動かしたりという顎の運動を、親知らずが邪魔している場合に顎関節症になりやすいとされています。
治療は終了したけれど、詰め物をした歯や被せ物をした歯がどうも噛みにくい、今までと違うなどの症状がある場合も顎関節症の疑いがあります。
歯並びが悪くて矯正を行ったあと、口が開きにくかったり音がしたりする場合も、顎関節症の疑いがあります
今までの症状や経過についてお聞きします。
顎関節症は顎だけに症状があるとは限りません。首の張りや肩こり、腰の痛みから姿勢に影響を及ぼしますので、姿勢を観察します。
お顔やお口の中を詳細に診査して原因を調べます。特に噛み合わせから生じるさまざまな症状をキャッチします。また、顎のゴリゴリという雑音やカックンという音を調べます。
歯並びや顎全体が診断できる断層写真撮影を行い、原因や治療方法を立案します。
歯並びや噛み合わせを診断するために顎の模型を作り、それを顎の動きを模倣する精密な咬合器に付けて咬合診断を行います。
顎の動きをコンピューターによって分析し、治療前後を比較して治療効果を客観的に評価します。
明らかに噛み合わせが原因であると判明した場合には、噛み合わせの調整を行います。そして顎のバランス調整を行う治療をします。
上下の歯の間に顎のリラックスを目的としたマウスピースのような装置をはめたり、顎の位置を治療するための装置をはめたりする治療法です。
顎の関節が痛かったり筋肉が緊張したりしている場合には、対症療法として薬物の投与を行い、症状を軽減します。
顎関節症は、患者様にもご協力をお願いして治癒に導きますので、ご家庭でもマッサージや局部の温熱療法を行っていただきます。
稲葉繁先生が「顎関節症」の世界に出会ったのは、ドイツ・チュービンゲン大学のヴィリー・シュルテ教授との出会いでした。客員教授として迎えられた間、徹底的に学びました。
これらの知識は臨床に多くの影響を与え、顎関節症を自分の人生のテーマとするバックボーンとなりました。
顎関節症を引き起こす原因は決して1つではありません。幾つかの要因が合わさって発症するケースがとても多いのです。顎関節症を治すには、まず思い当たる節を思い返して解消することが必要です。
原因が見つけられずに、様々な病院にかかった結果、心の病へ移行してしまうケースも少なくありません。 私達は患者様が顎関節症から精神的な問題へ移行しないように、歯科の全能力を集めて、原因を探し治療を行います。
顎関節症の3大症状は、顎の痛み、音、口が開きにくい、と言われています。
ご自身でチェックする方法として、下顎の前歯の真ん中にデンタルフロスを挟み、どちらに動くのか方向を見てください。動きが左右どちらかに偏って開く、もしくはS字状にカーブを描いて開くとしたら、顎関節症の可能性が高いと言えます。
当院では、無料相談を行なっておりますので、よろしければお問い合わせください。
あなたの顎関節にはどのような問題がありますか?
□ ご自身で歯ぎしりや噛みしめがあることにお気付きですか?
□ 顎の周りの筋肉が痛みを感じたり硬直したりすることがありますか?
□ 頭痛や首の痛みがしばしば起きますか?噛みしめたときに痛みが増しますか?
□ ストレスにより、噛みしめや痛みが一層増しますか?
□ 口を開いたときに顎がパキンと鳴ったり、ギシギシしたり、引っかかったり、
口が開かなかったりしますか?
□ 首や頭、顎に外傷を受けたことがありますか?
□ ほかの関節に関節症のような問題がありますか?
□ 噛みしめたとき、長く噛んでいられますか?
□ 時々歯の噛み合わせが変わりますか?
□ 前歯で噛みしめたり、食べ物を引き裂いたりすることが困難ですか?
□ 歯が過敏だったり、動いたり、割れたり、すり減っていませんか?
この中の症状でいくつか当てはまることがあったら、顎関節症である可能性が高いです。顎関節症はさまざまな症状として現れるため、それが顎からきているのかどうかわからないことがほとんどです。
●歯のすり減り
●歯のすり減りによる神経の痛み
(冷たいものや熱いものがしみる)
●歯ぐきが腫れる
●歯の根元が痛くなる
●歯ぎしり
●顎の関節の痛み
●顎付近の筋肉の圧痛
●首、頭の痛み
●耳鳴り
●難聴
●手足のしびれ
●姿勢の不均等(バランスが取れていない)
顎関節症の治療法は、その原因によって色々な方法があります。まずはその原因がどこなのか、詳しく調べるところから始まります。
初診時のカウンセリングにて、下記のようなことをお話しされました。一見、お口の中は良く治療されています。
・口が開かない
・口を開けると痛い
・右の顎がパキンと音がする
・常に右の耳の前が気になり、仕事に差し支えがある
お口の中のレントゲン写真です。奥歯に詰め物や被せ物が多く目立ちます。顎の形に問題はありませんでした。
ドップラーの聴診器にて、顎関節の音を診査。口を開けるときに音がするのか、閉じるときに音がするのか、それはどんな音なのかなどを聞きます。この患者様の場合は、口を開けたときに右の関節からパッキンという音が聞こえ、開けるときもまっすぐ開けることができませんでした。
2回目の来院時に模型による診断を行います。上下の型取りをして石膏をついで模型をきれいにトリミングしたところです。
模型を、咬合器という顎と同じ動きができる装置に装着します。顎の動きは、人によってその角度も違います。特に歯ぎしりをするときは、顎が回転したり、左右・前後に動いたり、非常に複雑です。顎関節症の患者様は、このレベルまでしっかり診断する必要があります。
これはフェイスボウトランスファーという、上顎の模型を咬合器に付着させるためのものです。体の正中と噛み合わせの平面が垂直であるかどうかを調べる器具で、詰め物や被せ物ひとつ作る場合もフェイスボウトランスファーは重要です。
このようにして記録したものを咬合器に移したところです。体の正中(咬合器の正中)と歯の噛み合わせの関係がしっかり移されています。
上下の噛み合わせは、ただ合うところで噛めば良いというわけではありません。中心位という、顎が本来一番リラックスしている位置を記録にとって上下の歯を付着します。
顎のリラックスしている位置と、実際噛んでいる位置にズレがないかどうか調べます。この患者様の場合、ほとんどが修復して(治して)ある詰め物や被せ物が原因でした。この模型診断はとても重要で、たくさんのことがわかります。
この診断方法を学ぶのには高度な技術が必要です。(IPSG包括歯科医療研究会の研修にて実施)
歯にはたくさんの溝が隠れています。これは適当な溝ではなく、きちんとルールのある溝です。
3回目の来院時には、顎の動きを3次元的に記録する顎機能検査を行います。治療前、治療後の顎の動きがどのように変化するのかを記録します。
4回目の来院のときは、場合によってはスプリント療法をしたり、家庭療法についての指導をしたりします。この患者様の場合は、原因が詰め物や被せ物の噛み合わせのバランスが合っていないことであると判明したので、咬合調整をしました。
咬合調整は様子を見ながら1~3回程度行います。
調整後、右の顎関節のパキンという音は消えました。口もまっすぐ開けることができるようになり、痛みもなくなりました。
この図は、顎機能検査による記録です。左の図では、顎がほとんど動いていなかったことがわかります。調整後の右の図では、顎が大きく動いて開くことができたのがわかります。患者様もとても喜び、今まで仕事による疲れだと思っていたそうですが、元気良く仕事に復帰されました。
無料相談を行なっておりますので、お電話にてお問い合わせください
「顎が大きく開けない」「顎の関節付近が痛い」という症状があり、さらに詳しい問診をすると下記のような症状をもつ中高年の患者様が増えてきています。これらは顎関節症といわれる症状です。
●肩がこる
●腰が痛い
●手足がしびれる
●耳鳴りがする
●偏頭痛がひどい
顎付近の痛みを訴えたり、口が開かなかったり、顎のあたりでパキン、ジョリジョリ、コッキン、という音がしたりするといったものです。
顎関節症というと、20~30代に多い疾患とされてきました。若い人では、歯並びが悪い、親知らずによる噛み合わせのバランスの悪さ、といった原因が多くを占めていますが、中高年からの顎関節症の原因は、歯に被せてある銀歯や詰め物、特に入れ歯による噛み合わせのバランスが崩れていることに起因しています。
右側の顎の痛み、お口がまっすぐ開けられないということで来院された患者様の例です。
正面から見て口を開けると、左側にずれているのがわかります。
入れ歯を見ると、右側に比べて左側の歯が異常にすり減っているのがわかります。
左側の関節円板(顎と骨の間のクッション、このクッションに乗って顎が動きます)が、落ちてしまっていると診断しました。
以前作った入れ歯を複製し、下顎頭を下げて、顎がスムーズに動くように右側の噛み合わせを2mm上げました。その複製入れ歯でまっすぐお口が開けられるのを確認し、顎の痛みもとれたため、新しく入れ歯を作り直すことになりました。
上下顎同時印象法により、稲葉式総入れ歯の型をとります。噛み合わせの器械はKAVOProtar咬合器のPDRInsertを用い、下顎頭を下方に下げ、顎がスムーズに動くようになるように調整しました。
顎機能検査、CADIACSを使ってPDRインサートを0にしたとき、PDRインサートを2mmにしたときのグラフで右の顎が2mm下がっていることを確認し、入れ歯を完成させました。
完成した入れ歯によって、顎の痛みはすっかり良くなり、お口もまっすぐ開けることができるようになりました。この治療法は、入れ歯で顎関節が動くように誘導させるものです。
長い間、合っていない入れ歯を使っていると、入れ歯による顎関節症を引き起こすことが十分考えられます